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ルール

ボークの基本的な考え方と見るべきポイント

執筆・編集: お父さん審判ブログ編集部

ボークの基本的な考え方と見るべきポイント

場面

走者が一塁にいる。投手がセットポジションから、体を一瞬止めたように見えたが、止まりきる前に投げた。ベンチから「今の止まってない!」と声が飛ぶ。球審であるあなたは、コールすべきかどうか、一瞬で決めなければいけません。

ボークは、学童野球の審判が最も苦手意識を持ちやすいルールのひとつです。理由ははっきりしていて、多くの人が「ボークになる動作」を種類ごとに暗記しようとするからです。細かい条文を覚えようとすると数が多すぎて、いざ現場で「今のはどれに当たるんだ」と考えているうちにプレーは進んでしまいます。

ボーク規定には、投手が走者を不当にだます動きを防ぐという考え方があります。ただし、「走者がだまされたように見えたか」だけで決める規則ではありません。公認野球規則6.02(a)に列挙された反則行為に当たるかを確認します。考え方を理解したうえで、頻出する具体的な行為と結び付けて覚えることが必要です。

なお、走者がいない場面ではボークは成立しません(投球動作の反則は別扱いになります)。だまされる相手がいないからです。この一点だけでも、ボークが「走者を守るためのルール」だということが見えてきます。

ボークは「走者をだます動きをしたか」の一点で判断する。最頻出はセットで完全に静止していないケース

見るポイント

球審の視野は本塁側にありますが、投手の動きは正面から見えています。以下の順で優先度を置くと整理しやすくなります。

  • セットポジションで完全に静止したか → 投手は投球前に一度、完全に動きを止める必要がある。「ほぼ止まった」は止まったことにならない。学童野球で最も多いボークがこれ。
  • 投球動作に入ったあとに投げるのをやめたか → 一度投球動作を始めたら、投手はその投球を完了させなければならない。途中で止めれば走者をだましたことになる。
  • 軸足が投手板に触れたまま牽制したか → 投手板から軸足を正規に外していない状態での牽制には、投球と同じ制約がかかる。外したのか外していないのかを、まず足元で確認する。
  • 牽制する塁の方向へ踏み出したか → 一塁へ牽制するなら、自由な足は一塁方向へ踏み出す必要がある。本塁方向に踏み出しながら一塁へ投げる動きは、走者をだます典型例。
  • 投手板に触れた状態でボールを落としたか → 意図の有無にかかわらず、走者がいればボークになる。

判断に迷った場合 → 動きの印象だけで決めず、「投手板に触れていたか」「投球動作を中断・変更したか」「送球する塁へ直接踏み出したか」など、規則上の要件へ戻る。大会独自の運用がある場合は責任審判に確認する。

動き方

  • ボークと判断した瞬間 → 「ボーク」と明確にコールする。ただし、投球や送球に続くプレーが進行しているときは、反射的にすべてを止めない。打者と全走者がプレーによって少なくとも一個の塁を進んだ場合など、ボークに関係なくプレーを生かす条件があるため、結果まで確認する。
  • プレーが落ち着いたあと → ボークのペナルティを適用するか、プレーをそのまま生かすかを審判員で確認する。原則は各走者に一個の安全進塁権だが、投球が第4ボールになった場合など処置が分かれる場面がある。分からないまま急いで再開しない。
  • 他の審判がボークを見た場合 → 学童野球の3人制では、塁審からもボークをコールできる。誰かがコールしても、進行中のプレーがあれば結果まで確認し、プレーが落ち着いてから審判員同士で認識と処置を合わせる。
  • 抗議が出た場合 → 「どの動作がボークだったか」を具体的に1つ、短く説明する。「セットで止まっていませんでした」で足りる。ルールブックの条文を暗唱する必要はない。
  • 学童野球であることを踏まえて → 投手はまだ体の使い方を習っている途中。1試合で何度も同じボークが出るなら、イニング間に指導者へ一声かけると、選手のためにも試合のためにもなる。

よくある間違い

  • ボークになる動作の種類を暗記しようとして、現場で「どれに当たるか」を考え込み、コールが遅れる
  • セットポジションで「ほぼ止まった」ように見えた動きを、静止したものとして流してしまう
  • 走者がいない場面でボークをコールしてしまう(だます相手がいないため成立しない)
  • ボークを宣告した瞬間にすべてのプレーを止め、プレーを生かすべき結果まで消してしまう
  • 抗議に対してルールブックの条文を長々と説明し、かえって話をこじらせる

参考資料

※学童部の特別規則や大会独自の運用がある場合は、当日の大会要項と責任審判の確認を優先してください。

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